…TRIANGLE…
隼斗からの電話が一方的に切られた。役目を終えた携帯電話は光るのをやめた。
「駅前で困ってる人助けたんだって。隼斗、ほっとけない性格だから」
穂香は嬉しそうに微笑む。
「そうか?」
俺がバスケの試合で観客席に突っ込んで、肩を脱臼した時 アイツは腹抱えて笑ってたこと穂香は知らないんだっけ?
会場にはいたはずだけど……ま、逆なら、やっぱり大爆笑してやるけど。
「とりあえず送るよ」
雨はまだ小降りだし、自転車なら穂香の家はすぐだ。
「いいよ。悪いし、ナツ君の家目の前じゃん。傘さして歩いて帰るから、大丈夫」