…TRIANGLE…
隼斗を軽蔑したくない。
本当は隼斗に、ありがとう、て言って別れなきゃいけないのに私は隼斗を責めることしかできない。
自分を正当化させて、隼斗が全部悪いって思いたい。
「隼斗帰って……」
もう隼斗の前で泣きたくない。隼斗はきっと私に同情するから、もう同情されたり心配されたりするのもやめよう。
「帰るよ。穂香が俺に話すことないのわかった。本当にこれで終わりだな」
隼斗は写真たてを元の位置に戻す。
「穂香が嫌いになったわけじゃない。穂香がわからなくなっただけ……あの日、俺はなんで穂香にキスして独り占めしたくなったか思い出したんだ」
顔をあげると、誰かが階段をあがってくる音がして、隼斗は口を閉ざした。
「穂香ー、ナツくんも来たわよー」