…TRIANGLE…
「え? ナツくん……」
階段をあがってきたナツくんと目が合った。私服に着替えてる隼斗とちがってナツくんは学校指定のジャージ姿のままだ。
ナツくんの視線は私を飛び越えて隼斗に注がれる。
お母さんが忙しそうに麦茶をもう一つ運んできた。
「まあ、あなたたち三人は高校生になっても仲良しなのね。安心しちゃうわ。穂香に変な男がつかないように、二人ともガードしてねー、ナツくんの麦茶ここに置くわね」
何も知らないお母さんは地雷を部屋中に敷き詰めて部屋を出て階段を降りていく。
一歩動けば何かが爆発しそう。
「なんで……隼斗がいるんだよ?」
「それ、こっちの台詞。なんでナツが来るんだよ」