…TRIANGLE…

「俺は穂香に話があったから……」

「へー、穂香いつもナツを部屋に入れてたのか? 俺は数えられるくらいしか入れてもらったことないけど」


「そういう言い方やめろよ!」



 ナツくんが部屋に来るなんて、中学生以来でその時は隼斗も一緒だった。



「怪しいと思ってたんだよ。ナツは女は穂香にしか興味ないし、穂香もよくナツを誘いたがったし……あ、穂香あれだろ。美咲ちゃんにバレて仲間外れにされたんじゃないのか?」


「隼斗……そんな言い方しないで」


 ナツくんが顔をしかめた。二人が睨み合うと、部屋中の空気が薄くなって呼吸が苦しくなる。

 喧嘩しないで欲しいのに、私が何か言えばそれが全部悪いほうに作用しそうで怖い。


 私は、結局二人から嫌われなくないだけの弱虫。



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