…TRIANGLE…


 何を言われるんだろう……何も期待してないけど、美咲が会いに来てくれたことが少し嬉しい。

 だけど、そのよそよそしい態度が悲しい。


「ヤスくんから、明日の試合来るなって言われたってね……穂香泣いてた? 目が腫れてるよ」 

 紙パックのジュースを目に押し当てて、大丈夫、と呟く。

 何が大丈夫なんだろうと思った。


「穂香、でもさ自業自得だよね……私がナツくん好きって言ったのも内心無理だって思ってたんでしょ?」


「そんなことない!」


 それだけは絶対にない。だいたい、私は美咲がいたからナツくんを諦めたんだよ。

 行き場のない怒りは自分だけの問題だ。



「そうだよね……ごめん」


 美咲の張り詰めたていた糸みたいなものがプツンと切れて、少しだけよそよそしさがなくなる。


「穂香、ごめん。亜里沙たちといると何が本当で何が嘘なのかわからなくなるんだ」




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