…TRIANGLE…
「ごめん……隼斗、俺やっぱ穂香が好きだ…………」
誰と誰が付き合うとか、そんな小さなもんに捕らわれなくても、俺たちは幼なじみとして誰も欠けることなく三人でやっていけるはずだ。
「ばーか、謝るな……」
一人って楽なんだよ、と教えてくれた彩さんの気持ちも痛いほどよくわかる。
穂香も、きっとナツが好きだ。気がついてて、気がつかないふりして、仲間外れにされるのが嫌だった。
ナツも穂香も弟や妹みたいだと思ってたのに、一番ガキなのは俺だよな。
「ごめんな、ナツ」
「なんで隼斗が謝るんだよ、それのほうがわけわかんねーよ」
「だって、俺もう好きな女いるし、悪かったな立ち直りはやくてっていうごめんだ」
「はあ? 好きな女って、そんな簡単に見つかるわけねーだろ! おまえ、またそうやって兄貴みたいにとっかえひっかえ女と遊ぶつもりだろ?」
「遼也さんと同じようには遊べないだろ、あの人まじで帝王みたいだから」
各駅停車の電車は、扉を閉じると、またゆっくりと走り出した。