…TRIANGLE…

────「げっ、休館かよ!」


「なんでちゃんと調べてないんだよ!」


「はあ? そういうの隼斗の役目だろ! 俺は、もしかしたらここかも、って言っただけなんだよ!」


 閑散とした水族館の入り口には、白い立て札が立っていて赤い文字で『本日休館日』と書かれていた。


 言い争いする俺たちの声だけが、高い天井から跳ね返って響く。



「あ、そういえばそこの階段降りると海岸に行けるんだ。そっちも探してみよう」


 俺が指さすと、むっとしたナツは制服のポケットに両手を突っ込んで歩きだす。



「だいたい、こんなとこまで来て穂香がいないとかオチいらねーよ」

「あのな……ナツが言い出したんだろ?」


「隼斗が反論しないからだよ!」





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