…TRIANGLE…

「この誓いのキスも有効だろ」



 真っ赤になって硬直した穂香を見てたら、こっちは気持ちに余裕ができた。可笑しくって、笑えてくる。

 久しぶりで二回目の穂香へのキス。


 前はなんで穂香にキスしたくなったのか、よくわかんなかった。


 でも、今はよくわかる。







「穂香、好きだ」





「ナツくん……ナツく……」





「なんで泣くんだよ、ばーか。これじゃ神様も認めてくれなくなるだろ?」


「だって……神様の前に隼斗は赦してくれるかなぁ……」




 指で涙を拭うと、赤くなった目の淵からはまた新しい涙が落ちた。


「隼斗が赦さないと思う? そんな奴じゃないと俺は思うけどな。自分に都合のいい解釈か?」


 穂香は、うん都合よすぎ、と頷いた。


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