…TRIANGLE…
────「遼也さん遅いね、ナツくん」
ナツくんの家の大窓が結露している。ヒーターがごうごうと音をたてて部屋を暖める。
コンビニの明かりがぼんやりと道を照らしているけど、遼也さんの姿は見えない。
今夜はナツくんの両親がいないらしく、遼也さんと二人だとつまらないからって私も招待してくれた。
「なんだよ兄貴のやつ、里帰りパーティーしろとか騒いどいて、帰ってこないし! まじ身勝手野郎だ。しかも、週の半分以上うちで飯くってんじゃん!」
ソファーの上でゲームしていたナツくんは、うーんと伸びをした。
「葵さん国際線勤務だし、忙しいもんね。かっこいいなぁ……私も今からCA目指そうかなぁ……」
「俺は奥さんがしょっちゅう海外とか嫌だね。なあ、腹減ったし、先に飯食おうぜ。てか、穂香時間大丈夫か? 家に電話したのか?」