…TRIANGLE…

「したよ大丈夫だってば、うちのお母さんはナツくんか隼斗の名前出せば安心してくれるし、それに春にはお父さんも帰ってくるんだよー。お父さんね、ナツくんと隼斗に会うの楽しみだってさ」


 そっか、と柔らかい笑顔をみせるナツくん。その顔をみる度に胸がときめいてしまう。

 ナツくんに手をひかれて、ときめいたままの胸が今度は早鐘を打ちはじめた。



「よかったな、穂香」


 ナツくんからのキスはいつまでも触れるだけの甘く優しいキスで私を安心させてくれる。


「穂香……」


 だけど、たまにナツくんも男の顔になる時がある。

 とくにこうやって部屋に二人きりになった時とか…………


「……んっ」


 いつもより深いキス。ナツくんの薄い唇がぴたりと合わさる。

 はじめてなわけじゃないけど、どうしていいかわからなくなるキス……


 受け入れたいのに、戸惑う熱い体。




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