…TRIANGLE…
大股で歩いて隼斗たちに追いついた。美咲は隣にいて、肩を上下させて呼吸している。
電車に乗って二駅。美咲とは、ほとんど会話をしなかった。
駅をでると、お囃子の音が聞こえてくる。駅前の商店街も、祭りにあわせて提灯や屋台をだしている。
穂香は隼斗の手を離さずに、楽しそうな笑い声をあげた。
小さな鳥居をくぐると、沢山の屋台が犇めいていた。
淡い光を放つ屋台。小さな子供がはしゃぎながら俺たちの脇を駆けて行く。
「ボサっとしてると、あぶねぇよ」
「うん、ごめん。浴衣って慣れなくてさ」
美咲は「ごめん」ともう一度謝った。予想以上にすごい人混みだな。
「隼斗! たこ焼き!」
さっそく、たこ焼きの屋台を指差して隼斗を呼ぶ。
「わかったよ。ちゃっかりしてんな……買ってくるから、ここで待ってろ。穂香、ナツたちといろよ」