…TRIANGLE…
「穂香……待てよ。おまえ、今すげー泣きたいんだろ?」
「やだ、違うよ。変なこと言わないで……」
「ちょっと、こっち来い」
コンビニのすぐ裏には小さな公園がある。嫌がる穂香の腕掴んで無理矢理ベンチに座らせた。
「隼斗と何があった? 俺には隠さなくていいだろ?」
ベンチに座ると、手で顔を覆った穂香。
「なんでわかっちゃうの……」と涙声を出す。
「泣いていいから、聞いてやるよ」
声を押し殺して泣きだす穂香に、俺が触れていいのかがわからなかった。
ただ、隣に座って大きく伸びをすると、これは長くなりそうだなぁ、なんて脳天気なことを考えた。
「隼斗……浮気してるかも……」
「浮気? そんなの本人に直接聞いてみればいーじゃねーか。誰と浮気してるんだよ? って」
「怖いんだもん……聞けないよ」
「じゃ、俺が聞く。
ハッキリしないほうが、嫌じゃねーの? 俺なら殴ってでもはかせてやるよ。
それでもアイツが、浮気してない、って言えば穂香は信じられるだろ?」