…TRIANGLE…
「ナツ、いいよな? 俺、穂香が好きだし。絶対大切にする」
「いいも何も、隼斗と穂香が決めたならそれでいい」
ナツは缶ジュースを飲み干すと、片手で缶をグシャと握り潰した。
なんとなく居心地の悪さを感じる。
「今まで遊んできた女たち、全員切ったから」
「当然だろ、相手は穂香だぞ? そんなこと知ったら、アイツ人間不信になるよ」
女を本気で相手にしないナツと、来るもの拒まず去るもの追わずだった俺。
女に対する価値観が全く違う。
ナツは、それ以上何も言わなかった。俺たちの関係が、ただの幼なじみの三人組みじゃなくなった。
────穂香と付き合いだしてから、この夏で一年がたつ。
最初は恥ずかしがってばかりいた穂香だけど、今じゃ周知の事実なわけで、部活以外の時間はほとんど一緒にいるのが当たり前。