…TRIANGLE…


「お友達?」


 エレベーターを降りて、部屋の鍵を開けながら彼女は大して関心がなさそうに電話の相手を訊ねてきた。


「はい、友達と彼女ですけど……」


「ふーん」


 視界に入ってくるのは、雨に濡れた彼女の後ろ姿。

 薄いワンピースが体に張り付いて、嫌でも身体のラインがわかってしまう。


 しかも、下着が透けてる。


 すご……色っぽ……穂香とは作りが違うな。



「どうぞ、入って」


 濡れた髪を耳にかけて、にこりと微笑む。


 ヤバい。これは部屋に入ったら理性保てる自信がない。


 携帯をポケットから取り出し彼女に差し出した。



「電話終わるまで、ここで待ってますから! 気にしないで使って下さい!」


 上ずった声が情けない。ガキだな、と思われて呆れられるかもな。




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