…TRIANGLE…


 ちょうど喉が乾いてた……


 て! 違う、ちがう!


 俺は、コーラをご馳走になりに来たんじゃない!


「電話はもう大丈夫ですか? それなら俺は帰りますから……」



 彼女はビールを自分のグラスに注ぐ。それを飲みながら鍋に水を入れ、コンロのスイッチを押した。


 青い火が鍋の底にあたる。



「だけど、外すごい雨だよ?」


 彼女は大きな液晶テレビにスイッチを入れた。


 大雨洪水警報!?



 テレビ画面を横断するテロップに首を傾げた。

 慌てて窓ガラスから外を見る。景色が見えないくらいの雨が降っていた。



「マジかよ……」


 穂香を先に帰してよかった。だけど、俺はどうやって帰ればいいんだ?

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