…TRIANGLE…

「タクシー呼ぼうか? ごめんね。帰れなくなっちゃったね」

「いえ……」


 タクシー代なんてもってねーよ! ……なんてカッコ悪くて言えないよな。金せびるわけにいかないし。



「もうちょい待ってみる? 通り雨かもしれないし」


「いいんですか?」


「いいよ」


 沸騰した鍋にパスタをザァっと入れレタスをちぎるマイペースなお姉さんは、俺がこの部屋にいることをたいして気にしてないようだ。


「君は食べたの?」

「はい、食べました」


 さっきまでナツと、ファミレスで馬鹿な話で盛り上がっていたのが遠い過去のようだった。

 あの頃の平和な俺は、もうここにはいない。 なんて感傷に浸ってる場合じゃねーって、 マジでどうしよう。

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