…TRIANGLE…


「残念、私のキノコパスタ結構美味しいんだけどなぁ。アイスならあるけど食べる?」


「いえ。お気遣いなく!」


「え? 美味しいよ。大丈夫。はい、味見してごらん」


 彼女は冷凍庫からレディーボーデンのアイスをスプーンにすくうと俺に近づいてくる。


 差し出されたので、一口食べる。


「うまっ」


「でしょ? 通話代分食べていきなよ。もちろん、お礼はするけどさ」


「お礼なんて、俺も悪いんですから気にしないでください」


 俺の前に用意されたアイス。透明の器に上品にもられて、ビスケットが刺さってる。

 彼女は隣に座りパスタとサラダを食べはじめた。 マイペースだなぁ。


「じゃあ、遠慮なくいただきます」


「どうぞ」

 沈黙。テレビの音と、たまに窓を打ちつける雨と音だけが俺と彼女の関係を繋いでくれている。それくらい俺たちには、何もなかった。


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