…TRIANGLE…


 選択権が俺に?


「意味がわかりません」



「そうだよね。ごめんね。顔がすっごいタイプなの。それだけ。名前も聞かないし、連絡先も聞かないよ。だから、今夜だけ泊まっていけば? 意味わかった?」



 世の中こんな美味しい話があっていいのか? いや、絶対何かの間違いだ。そうじゃないと、俺、この先の人生なめて生きていきそうだ。


「それって、俺が何かしても何の問題にもならないってことですか?」


 頭の中は、いつか穂香と使おうと用意しておいた財布の中のコンドームのことでいっぱいになった。

「意味わかってないじゃん」


 わかってる。わかりすぎている。こんな状態で正当な選択を出来る程、俺は出来た男じゃない。


「お姉さんこそ、意味わかってるんですか?」


 彼女に近づいてみた。触ってみる。服の上からもスタイルの良さがわかる。色気がある。メイクをしてなくても透明感ある肌。通る鼻筋、綺麗な二重。


「余裕だね……よかった」

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