…TRIANGLE…

 彼女の手が俺の腕を逆撫でする。肩から首筋を這うように移動する。



「俺、太刀の悪いお姉さんに騙されるんですか?」



「うん。本当に可哀想。

 でも、君は私と同類な気がする。社会人てストレスたまるんだよね。たまにこうやって訳わかんないことして発散したくなる。

 今時の高校生も色々と大変でしょ? 真面目ぶるのに疲れたりしない?」




「一緒にしないでくださいよ」



 彼女に腕を引っ張られてソファーに倒れ込む。


 学校指定の白いワイシャツのボタンを外される。


「好きじゃない人ともデきるタイプだね君は」


「俺は、その時だけ本気になれますよ」


「最低だね……」


 ちょっと馬鹿にされたみたいでムカつく。


 俺に馬乗りになってる彼女をソファーに押し倒す。



「お互い様だろ……」


 彼女に無理やりキスをするとビールの苦い味がした。


「彼女いるくせに……」

 
 今度は舌を絡ませた。積極的に動く舌を捕らえてやろうと、必死になる。


 売り言葉に買い言葉。だけど、それを言われたら何も言い返せない。


 だけど、引き返せなかった。


 そんなことできなかった。引きちぎるように脱がせたワンピース。彼女の火照った素肌に舌を這わす。


 ガキだとバカにされないように、熱心に慎重に彼女を探る。






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