…TRIANGLE…
嫌々着替えるナツを横目に、机の上に散乱しているバスケ雑誌を手にとった。
「そういえば、僚也さんの結婚式っていつなんだ?」
「ああ、クリスマス頃って言ってた。けど隼斗呼ばれる気?」
「はあ? 俺は招待されんだろ?」
「知らねーよ兄貴のことだから」
アメリカの有名な選手のダンク写真を見ながら、さり気なく訊いてみた。
「それにしても、僚也さんなんで急に結婚する気になったんだうな? 葵さんと付き合うまでは、会う度に違う女連れてたじゃん」
ナツは脱ぎ捨てたジャージを丸めてベッドに投げた。
「知らねーよ。そういうの、俺より隼斗のほうが理解できるんじゃねーの?」
「ま、確かにな」
雑誌を閉じて複雑な気持ちになった。
俺は何もわかってないのかもしれない。