…TRIANGLE…
「でも、周りが考えるより兄貴は遥かに葵さんに惚れてるよ」
「ふーん。だろうな、じゃなかったらあの僚也さんが結婚なんて道選ばないだろ。
行こう。穂香が待ってる」
周りが考えるより遥かに惚れてるか…………俺と穂香も周りから見たらどんなカップルに考えられてるんだろう?
──────「隼斗! ナツくん!」
コンビニ前で手を振る穂香は、文句無しに可愛い。
藤色のシックな柄の浴衣姿で少し大人っぽく見える。
「穂香、可愛いじゃん」
「ありがと」
照れた穂香に手を差し伸べる。穂香の指が自然と絡まる。
こういう一瞬が本当に穂香を好きだと思える。身体が目当てなわけじゃない。
俺だって、僚也さんみたいに収入があって結婚というものを考えた時、隣に穂香がいるなら迷わず穂香を選ぶはずなんだ。