…TRIANGLE…
「電話? なんでわかったの?」
「キーケースに番号書いてありました。後で登録してもいいですか?」
「名前はなんて登録するの? 知らないくせに」
「名前を教えてくれないワガママで素直じゃないお姉さん、って登録しときます。嫌だったら、名前教えてくださいね」
「長いね……ふふっ」
彼女が笑った。
「私は、浮気性のバカみたいに親切なただの高校生 って登録しとこうかな? ね、そこのメモ帳に連絡先書いておいて……今度、風邪がなおったら絶対お礼するから」
バカって、その通りだな。
熱い手が俺の頬をなぞった。背筋がゾクリとして、全身鳥肌が立つ。
なんだろう……この感情。心配で一晩中付き添ってあげたくなる。
「書いておきます……お大事に」
彼女の熱い手が離れた。心にデカい穴が空けられた。