…TRIANGLE…
冷えてジンジンするのが、ちょっと治まった両手。
二人きりの部室……
自然と目が合う…………
「よぉ! ナツ。あれ? 穂香なにしてんの?」
陽気な声がしたと思って振り替えると、隼斗くんが部屋に入ってきた。
高校生になっても、二人はバスケ部に入った。中学から続けているから、二人ともバスケがうまくて、五人しかなれないレギュラーに一年生ではいってる。
「隼斗、穂香が手に怪我したんだよ」
「怪我? だ、大丈夫なのかよ!」
隼斗くんはナツくんを突き飛ばして私の目の前に座る。
「いてぇーよ隼斗! 俺が怪我すんだろ! 馬鹿」
「本当だ……腫れてる……」
「大丈夫、大丈夫。今ね、ナツくんにスプレーしてもらったから」
「なんでこんな事になった?」
真剣な眼差しに、言葉が出てこなくなる。
「倉庫のドアにぶつけたんだよ。大した怪我じゃねーよ。穂香、俺たち練習あるからもう帰れよ」
納得できない顔した隼斗くん。
「そ、そうだね。帰るね……また明日」