…TRIANGLE…


────結局軽く遊ぶ程度がいつもよりハードに動きすぎて、皆くたびれて学校を後にした。皆と別れて、いつものように隼斗と二人チャリで帰る。


「メシ食ってくか?」


「ああ、穂香も呼ぼうぜ」


「穂香は、友達とカラオケイ行ってるよ。さっきメールがきた」


「へー、珍しい。アイツ、人前で歌えるのか? 顔真っ赤にしてそー」


 隼斗はカラカラと笑った。

 通学路途中のファミレス前で自転車を停める。家の近くにあるこのファミレスの誘惑にはいつも負けてばかり。

 穂香がいないと、男二人の会話なんて大抵くだらない話ばかりになる。次の試合で何点いれられるかを豪語したり、どっちが多くファインプレーできるかは、もうすぐ発売されるCDを賭けることにした。

 変なプライドを賭けた勝負を俺達はよくする。商品はアイスや、食事代とかほとんどで、CDは高額商品だけど……そのCDは穂香が好きなバンドだから特別だ。多分どっちが勝っても穂香のものになる気がする。

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