…TRIANGLE…



 わ、笑えない……。


 アイスコーヒーを飲むふりして、なんとかその場を誤魔化して、みんなに馴染んでる美咲に「ごめん、トイレ行ってくるね」と伝えた。



 狭い個室に入ってようやく安堵する。


 友達といるのが嫌なわけじゃないのに、すごく疲れるんだ。


 どうやって話を合わせたらいいのか、どのタイミングで笑えばいいのか、よく分からないんだもん……



 いつも皆の中心にいるのは、亜里沙ちゃんだ。社長令嬢だから、ブランドのバッグやアクセサリーを沢山持っている。最近まで付き合っていた社会人とは別れた直後で、今日の集まりは亜里沙ちゃんを励まそうって名目らしい。


 だけど、当の亜里沙ちゃんはとても明るくて誰より、よく話す。とても落ち込んでいるようには見えない。




「穂香ってさー、地味だよね……」



 声を潜めるわけでもなく、皆の笑い声が聞こえてきた。


 私のこと話題にされてる……




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