…TRIANGLE…


 私は慌ててトイレから飛び出した。皆がきょとんとして、私を見てる。



「ナツくんは、外見で人を判断するような人じゃないから!」


 皆の顔を見れない。

 床に視線を落として、手をギュッと握りしめた。



「ナツくんは……そういう人じゃない。ちゃんと相手を見て判断できる人だよ……」


 だから、美咲にだってチャンスある。社長令嬢だからとか、有名なお嬢様だからとか、そういうの全然関係ない。



「ぶっ……アハハハ!」


「穂香、超ウケる! 何、必死なの?」


「なんかウブだよねー、泣きそうじゃん。ウチら、マジで話てるわけじゃないからさ空気読もうよ」



 ぱっと顔をあげると皆が笑ってた。美咲も微妙な顔して笑ってる。


「あ、あはは……そうだよね……」


 こんなの全然楽しくない。



「そうそう、この後皆でカラオケ行かない? 年齢確認なしでお酒出してくれる店があるんだー」


「マジで、やった! そこ行こう」



「わ、私帰るね……」


 
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