メイド in Trouble!!!
ぼふっ、と柔らかいベッドがあたしを受け止める。

ベッドに片膝をついて、被いかぶさる姿勢であたしを見下ろす、玲央さま。濡れたままの髪、かすかなシャンプーのにおい。まさか…このまま……

「ちょ、ちょっと、やめて!あたしなんて、色気もないし、襲ったって面白くもなんとも……」

「は?何当たり前のこといってんだ、ばーか」




…あれ?

「お前何勘違いしてんの?」

「え、」

「廊下で腰抜かしたままじゃ、邪魔だから。どかしただけなんだけど?」

…ああ。そういうこと。一気に肩の力が抜けるあたし。

もう。紛らわしい事しないでよ。次は何されるのかと思って、びっくりしたじゃない。

「あ、ありがと」

あたしは少し赤くなって言った。
それを見て、玲央さまがクスっと笑う。

「何?俺がお前に何すると思ったんだ?」

「それは…」

変な想像をしてしまった事が、急に恥ずかしくなって、否定しようとしたけど。

「お前、勘違いすんのは鏡見てからにしろよ?」

……このひとことで、恥ずかしさは急激に殺意へと形を変えたのだった。
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