メイド in Trouble!!!
きょとんとした顔をして、あたしたちを見回す玲央さま。
「何、って」
見てわからんのか、バカ王子。あたしゃアンタのせいでこうなってんだよ!
「れ、玲央…様…」
それでも玲央さまの登場は、お取り巻きの女の子たちには効果があったようで。みんなじりじりと後退し始めた。あたしの髪を掴んでいた女の子も、バツが悪そうにあたしの髪の毛を離す。
「遊んでないで、早く帰ってメシの準備しろよ、ペチャ子」
一切空気を読まない玲央さまの発言が、体育館裏の空気を凍り付かせる。この状況で、そういうことを言うか。お前は。バカですか。バカなんですか。
「ほれ、何してんだ。帰るぞ」
凍り付いた空気をものともせず、あたしの腕を掴んでその場を去ろうとする玲央さま。
「れ、玲央様!待って!」
お取り巻きのうちの一人が、おずおずと玲央様に向かって訊ねる。
「あ?何?」
振り返ると、心底めんどくさそうに返事をする玲央さま。
「この子、玲央さまの、なんなんですか?!」
そう訊ねられ、玲央さまはちょっとあたしの方を見て、考えると。
「んー、俺の…奴隷?」
何の躊躇もなく、そう、答えたのだった。
―――――
「あんたバカじゃないの?」
「あぁ?なにが?」
思いがけない玲央さまの登場に、なんとかリンチの危機を脱したあたしは、玲央さまと一緒に帰り道を歩いていた。
一時的に危機は脱したものの。
"俺の、奴隷"
空気を読まないどころか、確実に誤解を招く発言に、事態は逆に悪化しているとしか思えなかった。
「俺の奴隷とか、普通あの場で言う?」
よりにもよって、奴隷って。ディープすぎるでしょうよ、その表現。
「間違っちゃねーだろ」
「いや、間違ってるし。思い切り」
あたし、家政婦だし。オメーの奴隷になったつもり、ねーし。
「お前は俺が雇ってるんだから、俺の奴隷も同然だろうが」
どうしてそういう発想になるかな、このバカ王子は。
「お願いだから、これ以上あたしをトラブルに巻き込まないでよ…」
「は?いつ俺がお前をトラブルに巻き込んだよ?」
……もういいよ、いっぺん死んでこい、マジで。
「何、って」
見てわからんのか、バカ王子。あたしゃアンタのせいでこうなってんだよ!
「れ、玲央…様…」
それでも玲央さまの登場は、お取り巻きの女の子たちには効果があったようで。みんなじりじりと後退し始めた。あたしの髪を掴んでいた女の子も、バツが悪そうにあたしの髪の毛を離す。
「遊んでないで、早く帰ってメシの準備しろよ、ペチャ子」
一切空気を読まない玲央さまの発言が、体育館裏の空気を凍り付かせる。この状況で、そういうことを言うか。お前は。バカですか。バカなんですか。
「ほれ、何してんだ。帰るぞ」
凍り付いた空気をものともせず、あたしの腕を掴んでその場を去ろうとする玲央さま。
「れ、玲央様!待って!」
お取り巻きのうちの一人が、おずおずと玲央様に向かって訊ねる。
「あ?何?」
振り返ると、心底めんどくさそうに返事をする玲央さま。
「この子、玲央さまの、なんなんですか?!」
そう訊ねられ、玲央さまはちょっとあたしの方を見て、考えると。
「んー、俺の…奴隷?」
何の躊躇もなく、そう、答えたのだった。
―――――
「あんたバカじゃないの?」
「あぁ?なにが?」
思いがけない玲央さまの登場に、なんとかリンチの危機を脱したあたしは、玲央さまと一緒に帰り道を歩いていた。
一時的に危機は脱したものの。
"俺の、奴隷"
空気を読まないどころか、確実に誤解を招く発言に、事態は逆に悪化しているとしか思えなかった。
「俺の奴隷とか、普通あの場で言う?」
よりにもよって、奴隷って。ディープすぎるでしょうよ、その表現。
「間違っちゃねーだろ」
「いや、間違ってるし。思い切り」
あたし、家政婦だし。オメーの奴隷になったつもり、ねーし。
「お前は俺が雇ってるんだから、俺の奴隷も同然だろうが」
どうしてそういう発想になるかな、このバカ王子は。
「お願いだから、これ以上あたしをトラブルに巻き込まないでよ…」
「は?いつ俺がお前をトラブルに巻き込んだよ?」
……もういいよ、いっぺん死んでこい、マジで。