猫とボク。
 心地よいベッドで、快適な室温。
 ボクはようやく、快適な睡眠を得ていた。
 お腹のあたりが少々重いのはタマが乗っかっているから。
 けど、その重みすら心地良いのは、タマと仲良くなれた気がするから。

 ……だったんだけど。
「……重い」
 なんて寝相の悪い猫なんだ!
 胸の上に乗っかったら重いってば!
 白い塊を、よいしょ、と脇にどけて、再びうつらうつらと、眠りに落ちたボクの夢に、いつの間にか変な音が入ってきた。
 そう、グーとかゴーとか。
 ぱちっと目を開けたボクは悟った。
「タマのいびき!?」
 
 うにょーん、と、仰向けで万歳して寝ているタマ。
 快適で、快調で、リラックスしています、と全身で語っている。
 そうでしょうとも。
 
 ボクは今宵何度目かもわからないため息をついて、タオルケットを頭から被った。 
 
 明日から、タマはリビングの寝床で寝るよう、言っておこう。
 そうだ、リビングに扇風機をつけて涼しくしてやればいいんじゃないかな。
 母さんに頼んでみよう……。
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