猫とボク。
結果から先に言うと。
二十歳になった日の朝。
ボクは念願の特殊能力を手に入れました。
なんと、猫の言葉が理解できるようになったのです――。
「いやぁ驚きだぜ、猫語の解る人間が出るとはな。けっ、面白くなってきたな」
ボクだってびっくりだ。
こんなに可愛いタマが、こんなに柄が悪かったなんて。
「あ、アゲハ。オレね、ちゃんと母上が生まれたときにつけてくれた名前があんのよ」
「う、うん」
「ネコの本名ってのは、特別なやつにしか言っちゃいけないんだが、お前はある意味特別だから、教えてやる」
ありがたく思え……いや、そういわれてもねぇ……。
ベッドに正座したボクの膝に上り、肉球でボクのほっぺたをふにふにとつつきながらタマが言った。
「白衛門・タマ・ユリウス・ジョナサン・ファン・藤・ロビンソン・ジャック・アントン・マリー・ヴィクトール・ステファン……」
ボクは慌てた。長くないか?
「ま、まってまって」
「ん?」
「長くない?」
「ああ、人間よりは少し長いな」
ねぇ、少しじゃないよ……ソレ。
ごめんねタマ、ボク、そんな長い名前覚えられないよ……。
「あぁん?」
だからっ、ごめんってばぁ。
二十歳になった日の朝。
ボクは念願の特殊能力を手に入れました。
なんと、猫の言葉が理解できるようになったのです――。
「いやぁ驚きだぜ、猫語の解る人間が出るとはな。けっ、面白くなってきたな」
ボクだってびっくりだ。
こんなに可愛いタマが、こんなに柄が悪かったなんて。
「あ、アゲハ。オレね、ちゃんと母上が生まれたときにつけてくれた名前があんのよ」
「う、うん」
「ネコの本名ってのは、特別なやつにしか言っちゃいけないんだが、お前はある意味特別だから、教えてやる」
ありがたく思え……いや、そういわれてもねぇ……。
ベッドに正座したボクの膝に上り、肉球でボクのほっぺたをふにふにとつつきながらタマが言った。
「白衛門・タマ・ユリウス・ジョナサン・ファン・藤・ロビンソン・ジャック・アントン・マリー・ヴィクトール・ステファン……」
ボクは慌てた。長くないか?
「ま、まってまって」
「ん?」
「長くない?」
「ああ、人間よりは少し長いな」
ねぇ、少しじゃないよ……ソレ。
ごめんねタマ、ボク、そんな長い名前覚えられないよ……。
「あぁん?」
だからっ、ごめんってばぁ。