猫とボク。
タマの勘違いじゃないの、とか思っていたら。
ふいに、お隣さんとの境目になっている植木鉢の陰から、猫が顔を出した。
見事に真っ黒。
ただ、額に三日月のような白い模様がある。
「わぁ、タマの黒バージョン……」
ボクの呟きに、戦闘モードに入ったタマが鋭い視線を投げつける。
しっかり追い払え、と言っているらしい。
「はいはい……あー、ここね、タマのテリトリーなんだよね」
「にゃごにゃ! フシャーッ!(おれのテリトリーだ、出ていけっ!)」
「に、にぁあ……にゃうにゃぁ(あ、あの、わたし、ごめんなさいっ)」
え、ええ!?
ちょっと、ちょっとまってよ!
「タマ!」
「なんだ、アゲハ!」
「ハチゴロウって、女の子じゃないか!」
「そうだぜ?」
「だって、ハチゴロウだよ?」
「ああ。人間には、ジジィって呼ばれてるな」
……それは、たぶん、ジジだと思うよ、タマ。
ふいに、お隣さんとの境目になっている植木鉢の陰から、猫が顔を出した。
見事に真っ黒。
ただ、額に三日月のような白い模様がある。
「わぁ、タマの黒バージョン……」
ボクの呟きに、戦闘モードに入ったタマが鋭い視線を投げつける。
しっかり追い払え、と言っているらしい。
「はいはい……あー、ここね、タマのテリトリーなんだよね」
「にゃごにゃ! フシャーッ!(おれのテリトリーだ、出ていけっ!)」
「に、にぁあ……にゃうにゃぁ(あ、あの、わたし、ごめんなさいっ)」
え、ええ!?
ちょっと、ちょっとまってよ!
「タマ!」
「なんだ、アゲハ!」
「ハチゴロウって、女の子じゃないか!」
「そうだぜ?」
「だって、ハチゴロウだよ?」
「ああ。人間には、ジジィって呼ばれてるな」
……それは、たぶん、ジジだと思うよ、タマ。