猫とボク。
 庭の真ん中に、白と黒の猫が二匹。
 仲良く日向ぼっこの真っ最中。

 黒い方が、目の前をヒラヒラと飛ぶちょうちょにちょっかいをだした。
 白い方は四肢を完全に折り畳んで、まるで箱のようになって座って、それを見ている。
 やっぱりジジは女の子、猫パンチも控えめで仕草も柔らかい。
 いや、タマが活発過ぎるんだよね……。
 最近は、どうやって捕ったのか解らない、大物が増えてるし。

 「香箱座りって言うらしいね、あのタマの座りかた」
 ぼーっとしていたボクの頬に、マグカップがこつんと当たった。
「あ、さんきゅ」
「タマが構ってくれないから、寂しいんでしょ、アゲハ」
「まあね……」
 小さく呟いてカップの中身を一口飲む。
 ほんのり甘い、ホットココア。
 ボクとタテハの好物だ。
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