猫とボク。
 自分で突っ込みながら、更にタマとジジの結婚式、なんてものまで妄想……いや、想像してしまったボク。
「ねぇアゲハ」
 タテハが、ふいにボクの顔を覗き込んだ。
 余計なお世話だけど、今日のメイクはナチュラル。
 髪の毛も、自然に束ねているところを見ると
 今日はデートにはいかないみたいだ。
「まさか嫁いびりしないよね?」

 へっ?
 よめいびり?
 
 「ごめん、タテハ、何の話」
「だって、アゲハってば、息子の嫁をいびる姑、みたいな雰囲気かもしだしてるよ?」
「んなっ!」
「あ、姑より小姑か……お義姉さんがいじわるなんですぅってトコ?」
 けらけら笑うタテハとは対照的に、心中複雑なボク。

 だって、ちょっぴり当たってるんだもん。
 そうですよーだ。
 ボクは、タマとじゃれて転げまわってるジジが、羨ましいんですよーだ。
 悪いかっ!
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