猫とボク。
 人間たちの生活の中で邪魔になってるんじゃないか。
 嫌われてはいけない。
 タマは、そんな想いを喋ってくれた。
 人間社会で暮らす動物たちの、必死の声を聞いた気がした。

 ちょうど、窓からお日様の光が斜めにはいってきて、タマの白い毛がキラキラ光った。
 ジジの毛より硬い毛だけど、充分柔らかい。
「タマ、神様に祝福されてるみたいだね」
「ん?」
「お日様のスポットライト浴びて、キラキラしてる」
「ばっ……恥ずかしい事いうなよ……」
 よせやい、と、軽く背中を持ち上げてみせるタマは、もういつものタマで。

 ボクはいつもいつもおしゃべりしていたけど、タマのホントの気持ちは知らなくて。
「あのさ、タマ」
「なに?」
「もし、ボクとおしゃべり出来なくなっても……諦めないでね」
 うん? と、ゆっくりタマが瞬きする。
「ボクは、タマの言葉が解らなくても、タマの声を聞くよう努力するから……」
 一人で我慢しないでね、タマ。
「勝手に家を出て行ったりしたら……泣くから」
「え?」
「何をそんなに驚くの?」
「アゲハたち、オレが居なくなったら寂しい?」
 あああ、あたりまえじゃん!
 何言ってんの!!

 「オレたち、案外大事にされてるんだね……」
「当たり前でしょ、バカっ!」
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