猫とボク。

　一通りストレス発散したあと、我に返ってしょんぼりしたジジを抱えてリビングに戻ったボクを待ち構えているのは。
「ジジ……ジジ……」
　にゃあにゃあと鳴きながらボクの足元をちょろちょろするタマ。
「ちょっと、タマ、そんなにまとわりつくと……」

　「ギニャー（いたーい）」
「うわーっ！」
―ゴッツン！

　ボクは。
　タマの体に蹴躓いて。
　盛大に転んでテーブルに膝を強かにぶつけました。

　「もうっ、タマ、危ないじゃないか！」
「にゃう……（ごめ～ん）」
　全く。
　それでもタマが心配なのはジジだけみたいで。
「……やれやれ」
　それでもやっぱり。
「憎めないんだよねぇ……」

　そう。
　なんだかんだ言っても、結局ボクんちの中心にはタマがいる。