猫とボク。
 なんだか妙に疲れてテーブルに突っ伏していたら。
 やたらと派手に装ったタテハがやってきた。
「アゲハぁ、今日の四限、代返してくれない?」
「ん、見返りは?」
「ご当地キティの根付けでどう?」
「乗った!」
 
 そういえば、タマはいつもご当地キティにちょっかいをかけているような。
 猫のキャラクターが気に入らないのか、鈴が気に入らないのか。
 とにかく、延々と手玉に取ったあと、くわえて何処かへ持って行っちゃう。
「……後で聞いてみよ」
「何?」
「あ、ううん、何でもない」
 トーストをのろのろとかじるボクの目の前でどんどんタテハがケバく……いや、派手になっていく。
 あーあ。
 そんなに厚塗りしちゃって……。

 「にゃにゃ~あ……(タテハはあんな男のドコがいいのかねぇ)」
「タテハの趣味は昔から理解できな……って、え!?」
 いつの間にか足元に来ていたタマの独り言に、ボクは仰天した。
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