スカビオーサ
プロローグ
彼は幼なじみ
どんな時も傍にいてくれた
わたしの初恋の人
けれど、
彼には好きな人がいる
悔しかった
憎らしかった
上手くいかなければいいと
願った
そんな汚い自分が嫌いだった
消えてしまいたかった
けれど、彼はわたしに笑いかけてくれた
わたしは……
なんと残酷な人を好きになってしまったのだろう
それでも、
傍にいられるなら――――