捨てられない恋
「はぁ…」
廊下に生徒の気配もなくなった頃。
(袋の中のゴミ、
散らばってなくてよかった)
1人取り残された静かな教室で
ため息をつきながら
投げつけられたゴミ袋を拾う私は
峰岸 新菜 (ミネギシ ニイナ)
ゴミネギシ なんて呼ばれて
ゴミ袋を投げつけられて
見ての通り、今の時代には珍しい
典型的なイジメを受けている
高校一年生だ。
毎日の教室掃除の後
校舎の裏のゴミ置き場まで
ゴミを捨てに行く面倒くさい仕事を
いじめられている私が押し付けられるのは
ある意味当然のこと。