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「……おい建、真海の顔が凍り付いてくぞ」
“何で!?”
「お前がふざけるからだろ」
“いやちげぇよ!?”
何が違うのだよ建檎くん。
今完璧ふざけてただろうが。
と、もはや声を出すのさえめんどくさくなったあたしは、心の中で突っ込む。
“要件がねぇんじゃなくて、何にも起こんなかったってことだよ!”
紛らわしいな、おい。
そんなことなら事務所帰ってきてから話せや。
無線機なんか使ったら緊急かと思うだろうがよ。
あたしは緊急の時のために無線機付けてけって言ったんだよ。
お前あたし達の仕事見てねぇのかよ。
「……真海、顔で言うのやめろ。
声に出せ」
「メンドイ」
「…それ言っちゃおしまいだ」
「んーー、とにかく馬鹿建、早く戻ってこい」
この時、龍心、聖、風、信夜、凌空全員が
建、戻ってこない方が身のためだぞ
と思っていたことを、真海は知らない。