君は僕を好きになる。
少し話した僕たちはまた話が続かなくて沈黙の空気に包まれた。
またもくもくと作業にはいる。
それから20分、最後の1部を留めて 両腕を伸ばした。
「終わったー…」
「お疲れ」
先に終わっていた平岡さんは日誌を書いていた手を止めて僕の作ったプリントを受け取った。
「ありがとう。手伝ってくれて」
「ううん、気にしないで」
帰る支度をして立ち上がると、ストップをかけられた。
1時間近く一緒にいて今思ったけど、平岡さんって案外普通かもしれない。
ちょっと近寄り難いけど話すと誰とも変わらない女の子だ。
憧れの存在な人がこうして普通に話していることが不思議でしょうがない。
「平岡さん」
「ん?」
「どうして、僕だったの?」