君は僕を好きになる。
クスリと微笑んだ彼女にまたもや呆気を取られた。
…僕、昨日からからかわれすぎだよね。
なんていうか、良い感じに平岡さんに弄られてる。初対面とはいかないけどそれと同然の関係だったのに。
「鈍感な高城くんに、プレゼント」
机の上に出された一つの包み袋。
一緒に日直をやってくれるお礼だって。
開けてみて、と言われて中身を気にしながら開けてみると中にはクッキーが入っていた。
「作ったの」
「料理は苦手だって…、」
「うん。でも、ほら。克服しなきゃだし」
味の保証はできないけど、とちょっと不安がちに言う平岡さんは可愛らしかった。
「イビツだけど、力作よ」
「うん、美味しいっ」
確かに形は疎らだし、大きさも不平等だけど美味しくできてる。
「ありがとう」
僕なんて対して役に立つわけでもないのに、僕を頼ってくれて、ご丁寧にお礼まで。
何か、嬉しい。