君は僕を好きになる。


「どうして僕なのって、高城くんは聞いたよね」


突然質問を投げかけられ、食べていたクッキーを小さく飲み込んだ。


「本当に、わからないの?」


その質問があまりにも難しかった。


どうして僕なの?
そう聞いたら平岡さんは言った。
高城くんが良かったの、って。


よくわからなくて、僕はただ単に1人の頼みやすそうな僕を選んだだけだと思っていたけど。

本当にわからないの?って言われても…。


まだ、裏があるってこと?


「きっと本が大好きな高城くんならすぐにわかるはずだよ」

「え?」

「そしたら、結末までも推理しちゃうかも」



じゃあね、と教室を出て行った平岡さんにまた置いていかれた。


ただ思ったことは


「…平岡さんって、やっぱ何考えてるのかわからない。」


無表情で話されると僕も困ると言うこと。

< 21 / 29 >

この作品をシェア

pagetop