君は僕を好きになる。


「高城っ」


昼休み、いつものように1人席に座って本を読んでいると、クラスメイトの遠藤に呼ばれた。


遠藤は中学も一緒で三年生のとき結構仲が良かったから僕が運動音痴も知っているし、群れないことも承知でいる。


本から視線を遠藤に移すと、遠藤は僕を遊びに誘った。



「今日ボーリング行くんだけど高城も来ねぇ?てゆーか来てよ。頭数足んねぇし
久々に一緒に遊ぼうぜ。ボーリングならできるだろ?」

「あー…そうだな。ボーリングなら…」


金銭的にも余裕はあるし、ボーリングは嫌いじゃないから行こうかな。


「あ、」


ダメだ。

ハッと思い出し、ポツリと声を漏らす。



「ん?何か用事ある?」

「ちょっと訳あって日直任されてるんだ。ごめん、また誘って」

「おー、そうか。ならしかたねぇな。頑張れよ」


遠藤は顔色一つ変えずに、潔く他の友達のところに行った。


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