君は僕を好きになる。
別に日直なんて平岡さん1人でも出来ると思うし、雑用も頼まれてないからボーリングに行こうと思えば行けたんだけど…。
何で真っ先に平岡さんの顔が浮かんだんだろう?
「ボーリング、断ったんだね」
「え?」
放課後、いつものように机を間に挟んで向き合いながら座る僕と平岡さん。
そして今日も彼女は心の読めない表情で僕に話しかける。
「せっかく遊ぶチャンスだったのに」
「…まぁ、いつでもできるし」
「本当は今頃僕は遠藤たちと遊んでたはずなのにー、とか思わないの?」
ペンをスラスラ動かしながら質問を投げかける平岡さんに、僕は考えながら窓を見た。
今頃、かぁ。
考えたことなかったなー…。
別にそこまで行きたかったわけでもないし。
「僕の今の当たり前は、こうして平岡さんと日直をすることだから、あんまり気にしてないよ」
ふと視線を感じて窓から平岡さんへと目を移すと、ちょうど目が合った。