君は僕を好きになる。


しかもさっきから平岡平岡って。

平岡さんがどうしたんだっていうんだ。


同じクラスだけど平岡さんと話したことなんてないし、ましてや目すら合ったこともないのに。


オシャレな感じで美人だけど一匹狼の彼女との接点なんて何一つないんだ。


「あいつ、なかなか英語の課題出さないから一週間日直したらチャラにしてやるって言ったんだ」

「…ダメでしょ」

「だけど日直の仕事すら知らないとかほざきやがって、誰かに教えてもらえって言ったら高城が良いって言うからさー。な、お願いだよ」

「人の話を聞こうよ。先生が何やってんの」

「な、高城。この通りだ!」


土下座して頼み込む担任に引きながら、ふと疑問を持った。


課題を出さなかった平岡さんが日直でチャラにしてもらって、でもやり方がわからなくて?

誰に教えてもらえって言った?


先生、可笑しなこと言わなかった?



「平岡さんが誰に教えてほしいって?」

「お前だけど、高城」


冗談と、言ってください。

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