君は僕を好きになる。


「高城くん」


突然声をかけられて下を向いていた顔を思い切り上げた。

そして、また目が合う。


君はやっぱり無表情だった。


「高城くん」

「…はい」

「…呼んでみただけ。」



え、何この人。
僕のことからかった?


話したことのない平岡さんは得体がしれなくて、掴みどころがない。

何を考えているのかわからない。


僕、人間観察好きだから結構いろんな人をみてどんな人か見当をつけているけど平岡さんはさっぱりだ。


いつも1人で、いつも窓の外をみていて、昼休みには1人でどこかに行ってしまう。


二年生になって初めて彼女の存在を知ったから友達がいるのかとかよく知らないし、でも見たところ一匹狼だよね。


…僕も基本1人だからあんまり人のこと言えないけどさ。


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