としサバ
 時計を見ると、午後の授業まで少しの時間があった。


 雫は職員室に向かった。 

 担任の遠藤先生の机を見つけると、雫は足早にそこまで歩いて行った。


 「先生、お話があるのですが、少しいいですか」
 「いいわよ。話ってなあに」

 「携帯が無くなったのです」
 「家に忘れたのじゃないの」

 「いいえ。授業が始まる前に、電源を切りましたので。間違いありません」

 「本当。間違い無いの」

 「ええ、絶対に間違いありません」
 「携帯の番号を教えてくれる」

 「はい」

 雫は、メモに携帯電話の番号を書いて先生に渡した。


 「ありがとう。教室で待っていてくれる。すぐに、行くから」

 「はい、わかりました」 


 礼をして職員室を出ると、雫は教室に向かった。





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