としサバ
 一枚。

 そして、また一枚。

 見終わると、次へ。


 遠藤先生は、黒板に書かれた結婚式の落書きの写真を見ながら言った。


 「これは誰の結婚式。姉パンツ、死神とは誰の事」

 「それは・・・」

 「誰の事よ。どうせ、他の人に聞けば、すぐに分かる事よ」


 そう言われて、葵は渋々語り始めた。

 
 「姉パンツとは・・・」

 「誰の事よ。言いなさい」
 「吉岡君の事です」

 「なぜ、吉岡君が姉パンツなの」

 「それは・・・それは、お姉さんのパンツを間違えてはいていたからです」

 「呆れたわね。それで、姉パンツと言って、冷やかしていたの。そしたら、死神とはいったい誰の事よ」


 「死神とは・・・死神とは・・・」
 「誰の事よ。正直に言いなさい」


 「死神とは今野さんの事です」

 
 葵が泣きそうな顔で言った。



 
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