としサバ
 「石田君にピンクのパンツをはかして、模擬結婚式をしたと言うの」

 「はい、そうです」


  葵はうな垂れている。


 「花嫁は誰」
 「花嫁は山下さんです」

 「顔には、包帯とマスク。こうしたのは死神だから」
 「そうです」

 「もういいわ。後は今野さんに詳しく聞くから」
 「今野さんにも聞くんですか」

 「勿論、聞くわよ。それから、言っておくけど、今度こんな事をしたら退学処分にするわよ。わかったわね」

 「わかりました」

 「それから、お母さんにも来て貰う事になると思うけど、覚悟していてね」

 「ママを呼ぶんですか」

 「あなた、これだけの事をしておいて、何も無いと思っているの。これは、れっきとしたいじめよ。悪いと思わないの」

 「・・・」
 「もういいから、行きなさい」


 遠藤先生は葵に聞くより、雫から真相を聞いた方が良いと思い、葵を早めに帰した。

 早く真相を知りたいという気持ちと、真相を知るのが怖いという気持ちが、遠藤先生には交錯していた。





 
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