としサバ
 みちるとリンは両端に座ると、葵を無理やり座らせた。


 「うち、ちょんぼしてん。それも大ちょんぼや」


 葵がみちるとリンの顔を交互に見てから、漸く口を開いた。


 「どうしたん」


 みちるが葵に尋ねた。


 「雫の携帯を隠すのん遅れてん。遠藤先生が持ち物検査なんかするなんて、夢にも考えてへんもん」

 「何で、あの時、遠藤先生は持ち物検査をしたんやろ」


 みちるが不思議そうな顔をして語った。

 「確かに、タイミングが良すぎるわ」

 リンも相槌を打った。



 「雫か! やられたわ」



 葵が立ち上がって大きな声で言った。




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